頭金ゼロでも家は買える?
頭金ゼロでも家は買える?
2025.06.24
「家を買いたいけれど、頭金が貯まらない」「頭金ゼロでも住宅ローンは組めるの?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、頭金ゼロでも家は買えます。ただし、メリットとデメリット、注意点をしっかり理解した上で検討することが重要です。

頭金ゼロ購入の現実

現在、多くの金融機関で「フルローン」と呼ばれる、物件価格の100%を融資する住宅ローンが利用可能です。さらに、諸費用も含めた「オーバーローン」を提供する銀行も増えています。これにより、手元資金がほとんどなくても住宅購入への道が開かれています。

住宅金融支援機構の調査によると、頭金なし(借入割合100%)での購入者は約15%から20%、頭金10%未満の購入者は約30%、頭金10%から20%の購入者も約30%となっており、実に約半数の方が頭金20%未満で住宅を購入している現実があります。

頭金ゼロ購入のメリット

頭金ゼロでの購入には、まず早期購入が可能になるという大きなメリットがあります。頭金を貯める時間が不要なため、家賃を払い続けるより早く購入に踏み切ることができます。また、物価上昇前に購入できる可能性もあるでしょう。

手元資金を温存できることも重要なポイントです。緊急時の予備資金を残すことができ、引っ越し費用や家具購入費用に充てることもできます。さらに、投資や他の用途に資金を活用するという選択肢も残されます。

住宅ローン控除の観点からも、借入額が大きいほど控除額も大きくなるため、低金利と控除の組み合わせで実質金利がさらに下がる場合もあります。

頭金ゼロ購入のデメリットとリスク

一方で、頭金ゼロ購入には注意すべき点も多くあります。最も分かりやすいのが月々の返済負担の増加です。例えば、3,000万円を35年返済、金利0.5%で借りる場合、頭金600万円(20%)であれば月返済額は約6.2万円ですが、頭金ゼロの場合は約7.8万円となり、月1.6万円、年間約19万円の差が生じます。

総返済額で見ても差は明らかです。同じ条件で比較すると、頭金600万円の場合は総返済額約2,600万円に頭金600万円を加えて3,200万円となりますが、頭金ゼロの場合は総返済額約3,270万円となり、約70万円の差が生じます。

売却時のリスクも考慮が必要です。購入直後は住宅ローン残高が物件価値を上回る可能性が高く、売却時に「オーバーローン」状態になるリスクがあります。この場合、任意売却や残債処理が必要になる場合もあります。

また、頭金ゼロでの購入では審査が厳格化される傾向があります。収入基準が厳しくなり、勤続年数や職業の安定性がより重視され、他の借入があると審査に大きく影響することがあります。

頭金ゼロでも購入しやすくなる条件

頭金ゼロでの購入を成功させるためには、いくつかの条件を満たすことが重要です。まず、安定した収入があることが求められます。年収500万円以上が一つの目安となり、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は25%以下が理想的です。

良好な信用情報も欠かせません。クレジットカードやローンの延滞がなく、他の借入が少なく、安定した取引履歴があることが重要です。

勤続年数と職業の安定性も重視されます。勤続年数3年以上、正社員または公務員、上場企業や安定した企業への勤務などが審査に有利に働きます。

諸費用の考慮も重要

頭金ゼロでも、諸費用は別途必要になることを忘れてはいけません。3,000万円の物件の場合、仲介手数料約100万円、登記費用約30万円、住宅ローン諸費用約80万円、火災保険約30万円、引っ越し費用約20万円など、合計約260万円程度の諸費用が発生します。

諸費用も含めてローンを組む「諸費用ローン」も利用可能ですが、金利が住宅ローンより高い場合があり、審査がより厳格になり、総借入額が増加するという点に注意が必要です。

頭金ゼロ購入を成功させるポイント

頭金ゼロでの購入を成功させるためには、徹底した資金計画が不可欠です。月々の返済額と家計収支をしっかりと確認し、ボーナス返済に頼らない計画を立て、将来の収入変動リスクも考慮する必要があります。

物件選びも慎重に行うべきです。資産価値の下がりにくい立地を選び、築年数と建物品質のバランスを考慮し、将来の売却可能性も含めて検討することが重要です。

金利タイプの選択も重要な要素です。変動金利は金利上昇リスクがありますが低金利、固定金利は返済額が確定しますが金利が高めになります。返済能力に応じた適切な選択が必要です。

手元資金に余裕ができた際の繰り上げ返済計画も準備しておくべきです。ボーナスや昇給分の活用方法を考え、住宅ローン控除期間との兼ね合いも検討しましょう。

適用する人、適用しない人

頭金ゼロ購入は、安定した収入があり月々の返済に余裕がある方、家賃が高く早期購入でメリットがある方、手元資金を他の投資や用途に活用したい方、住宅ローン控除を最大限活用したい方におすすめです。

一方で、現在の家賃が安く購入を急ぐ必要がない方、月々の返済負担を抑えたい方、売却リスクを最小限に抑えたい方、収入が不安定または将来の収入減が予想される方は、頭金を貯めてからの購入がおすすめです。

まとめ

頭金ゼロでの住宅購入は、現在の住宅ローン制度では十分可能です。ただし、月々の返済負担増や総返済額の増加、売却時のリスクなど、しっかりと理解した上で判断することが重要です。

最も大切なのは、自分たちの収入状況、ライフプラン、リスク許容度に応じた適切な判断をすることです。当社では、お客様の状況に応じた資金計画のご提案から、最適な住宅ローンの選択まで、専門的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

睦備建設 編集部
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